ひと夏の思い出 居候の斎藤さん

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カブトムシ

こんにちは。

セルトです。

 

虫全般が苦手な方ははじめから申し訳ない次第です。

 

ただ、2017年の夏は、

30数年生きてきた中で初めての珍しい事が起こったので、

その事を書くあたりどうしても必要でして、、、

ご容赦くださいませ。

 

2017年7月某実夜、

私が所用を足しに玄関先に出ていると、

普段は見かけない大きな物体が飛来してきました。

 

巨大ゴキ◯リの突撃と勘違いし、

思わず、小学生の女子生徒の様な声を上げて避難したのですが、(情けない、、、)

止まった物体をよくよく見ると、子ども達に大人気のカブトムシでした。

 

私の家は、都内の幹線道路沿いにあり、

お世辞にも空気や自然が豊かとはいえない居住地域にあるのですが、

まさかこんなところを飛んでいるとは!

 

身近で見るのは十数年ぶりのだったので戸惑いもありましたが、

とりあえずこのままでは、

クルマにひかれるかカラスのおやつでまず間違いなかったので、

勢いで家の中に入れてしまいました。笑

 

正常な判断とは言いがたい決断でしたが、

小学生低〜中学年の時分、

カブトムシを幾度も幼虫〜成虫を返して育てていた経験があり、

無下に扱う事が出来なかったのでしょう。

 

凄まじい勢いで部屋中を飛び回る中、

昔、虫博士と呼ばれていた友人に連絡を取り、

どうすれば良いか聞いたところ、

 

『外に放すとカラスに食べられて、

家で適当に飼うと5日くらいで弱って死ぬ。』

 

との事だったので、

そりゃあまりにも酷すぎる・・・と考え、

とりあえず翌朝一番に西友に出向き、

過去を思い出して色々と買い出してみました。

 

私の時代には、

大きなプラケースに腐葉土とスイカでも入れておけば良いという認識でしたが、

現代は虫市場?に至るまで急激な進歩を見せているらしく、

 

・虫専用ゼリー

・虫専用 くつろ木 留まり木 登り木

・虫専用土湿らせ栄養水

・虫専用コバエ取り

 

などなど、

多種多様に渡る品々を、

来世生まれ変わるなら虫になりたい!と思っていそうな店員さんに、

強く勧めて頂きました。

 

かくして自らの暮らしは一般人にも関わらず、

居候のカブトムシは毎日が一級ホテルのスイートルームの様な

暮らしになってしまったのです。笑

 

時が経つにつれ、

もはや立派な1つの部屋の模様を呈して来たため、

表札もつけてやろうという事になり、彼(彼女?)に、

”斎藤”という仮の名前が与えられました。

 

始めは反抗的な態度を露わにしていた斎藤さんも、

幾度かの脱走を経験しながらも、徐々に懐いていき、

いつ弱って死んでしまうかという私の不安をよそに、

7月、8月、9月・・・そしてついには10月に突入したのです。

 

斎藤さんはカブトムシの分際で、

常に自己主張がある一風変わった虫でした。

 

・高級品の残りでも気に入らなければ食べない

・常に一番高い場所を目指す

・とりあえず人間にも噛み付く(メスだけど好戦的)

・生きたい場所があれば紙を食いちぎり網を蹴散らしてでも行く

・眠たければ夕方になっても起きない

 

などなど、

上手く周りや環境に迎合する事は出来ないが、

それでも力強く生きていく姿勢(生命力に溢れ、それを全面に出す姿勢と強い意思)は、

呆れる反面、学ばせてもらった事も多少ある気がします。

 

そんな斎藤さんも先日、大往生しました。

 

気温の低下もあり、

徐々に体が動かなくなる最中、

前足しか動かせない状態ながらも、

最後まで生きたい場所や食べたいエサを求めて向かっている最中に

事切れたといった感じでした。

 

斎藤さんが動きを止め、亡骸になったと思った夜、

明日どこかに埋めてやろうと思って一夜明けると、

その晩よりも2cmほど進んだ場所で今度こそ本当に事切れているのを見た時、

最後まで、この虫らしいなと感じたのです。

 

いきなり殴り込んできた居候のカブトムシでさえも、

ここまで感じさせてくれる事があるのだから、

人が動物や虫や他の生き物から学ぶ事は決して少なくないのでしょう。

 

最近ニュースで、

子ども達をはじめ若年層の人間が、

なかなか外に出かけなくなっているというデータを見ます。

 

しかしながら、

外に出たり、外からの刺激を受け入れたり、

時に発見があったり、時に傷ついたり、

他の人種や生き物と出会う事は、

若年期に自らの感性を磨く一番の方法なのではないでしょうか。

 

そんな事を20数年ぶりに思い出させてくれた斎藤さんに感謝したいと思うのです。

 

image1

※食後にくつろ木で寛ぐ斎藤さん

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